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直近の業績について

平成22年3月期 業績全般の概況

 当連結会計年度における世界経済は、金融危機不安が後退し、いわゆる「二番底」や資産バブルの懸念を抱えながらも、中国・インドなど急速に回復する新興国経済に牽引され、総じて緩やかな回復基調となりました。
 わが国においては、政治・経済の不透明感を背景に、需給ギャップの拡大に伴う様々な業界での価格競争の激化やさらなる消費者の低価格志向から、政策的に喚起されている分野を除き、内需は伸び悩んでおりますが、第4四半期に入る頃から、外需拡大により半導体関連業界など一部において回復傾向が見え始めました。
 当社グループの主要市場別に見ますと、自動車市場においては、中国が2009年の自動車販売台数世界一となるなど市場の構図が大きく変動する中で、他業種からの新規参入もあり、ハイブリッド車・電気自動車などの環境対応車や低価格車の開発・販売競争が一層激化しております。半導体製造・検査市場においては、ノートPC、スマートフォン、自動車関連の半導体需要の回復から、台湾勢を中心に半導体メーカーが設備投資を再開し、業績面でも著しい回復を遂げる企業が少なからず出てきております。携帯電話市場においては、2009年の前年比マイナス成長に対し2010年はプラス成長に転ずるものと見られており、世界的な大手メーカーが低価格機種から高機能機種まで熾烈な競争を繰り広げております。
 このような状況の中で、当社グループは、前期中に策定した「全社収益構造革新計画」の諸施策を迅速かつ着実に実行し、昨年7月末をもってほぼ完遂いたしました。これにより、第1四半期(2009年4~6月)は営業損失となったものの、第2四半期(同年7~9月)以降は固定費構造の大胆なスリム化を実現し、売上の回復と相俟って、大幅な営業利益を計上することができました。また、このスリム化した固定費構造を基礎として新たな成長に向かうべく、10月より、再構築した「全社成長戦略」のもと、経営目標の達成に向けた取組みを開始しております。
 以上の結果、当連結会計年度における連結売上高は260億2千5百万円(前期比△5.6%)と、前期からさらに減少いたしましたが、損益につきましては、固定費構造の革新により売上原価率が大きく改善するとともに、販売費及び一般管理費の大幅な減少により、連結営業損益は12億2千7百万円の利益(前期比24億1千6百万円の増加)と、前期から一転、大幅な黒字となりました。経常損益につきましても、長期借入金等の支払利息の増加に加えて、円高傾向による為替差損の増加はありましたが、連結経常損益は10億5千1百万円の利益(前期比21億7千7百万円の増加)となりました。最終損益につきましては、固定資産除却損・事業構造改善費用等の特別損失を計上しましたが、貸倒引当金戻入額等の特別利益計上、ならびに業績改善に伴い繰延税金資産の回収可能性を見直したことにより税金費用が減少したため、連結当期純損益は8億2千万円の利益(前期比44億2千4百万円の増加)となりました。

製品別売上高に関する概況

車載通信機器

 当分野の主要市場である自動車市場につきましては、各国政府の購入支援施策などにより需要が下支えされ、わが国におきましても減税措置・補助金により買い替え需要が喚起されたものの、政策的に優遇されたハイブリッド車等環境対応車に集中する形となりました。
 このような状況の中、当社グループは、ハイブリッド車等向け・米国市場向けのマイクロアンテナの販売が好調に推移し、売上高回復の原動力となりました。ETC車載アンテナは、政権交代後の高速道路料金無料化方針の影響で、第3四半期から大幅な減少に転じましたが、年度半ばまでは高速道路料金一部引き下げにより高水準で推移いたしました。
 その結果、当連結会計年度における当分野の連結売上高は163億1百万円(前期比△1.2%)と、前期比で小幅な減少にとどまりました。
 今後は、日系自動車メーカーの新興国市場における拡販への対応を軸として、ハイブリッド車・電気自動車等環境対応車への生産・販売シフトという世界的潮流への対応に重点を置き、製品開発・営業活動を展開してまいります。
 また、ETC路側器アンテナを初めとする路車間通信システムを中心に、国内外の交通インフラストラクチャー需要拡大に対応したシステム事業の拡大を推進してまいります。

回路検査用コネクタ

 当分野の主要市場である半導体製造・検査市場につきましては、年度半ばまで低迷していた半導体需要が、中国をはじめとする新興国での需要回復によって第3四半期に急角度で上向き、第4四半期においても高水準で推移いたしました。
 このような状況の中、当社グループの主力製品であるIC検査用BGAソケットは1月まで総じて小幅な回復にとどまっておりましたが、2月半ば以降、ICUユニットリング等他の製品とともに大きく伸長いたしました。その結果、当分野における通期の連結売上高は41億7千4百万円(前期比△5.6%)となりました。
 今後は、新規顧客開拓や次世代半導体への対応などにより後工程検査領域でのシェア維持・拡大に努めるとともに、前工程検査領域でのスピーディな製品開発・拡販活動による本格事業化・シェア拡大を推進してまいります。

無線通信機器

 当分野の主要市場である携帯電話市場は、2009年は前年比マイナス成長となったものの、2010年はプラス成長に転じると見られております。その一方で、世界大手メーカーへの寡占化進行、PCメーカーからの参入などもあり、競争が一層激化しております。
 このような状況の中で、微細スプリングコネクタを中核製品とするファインコネクタ事業におきましては、事業の「モノ(単一)構造」を脱却するべく、POS端末機等携帯電話以外のメーカーを中心に拡販活動を展開いたしましたが、採用機種の販売不振等による受注減少から、携帯電話機メーカーに対する売上高が伸び悩みました。
 携帯電話機向けアンテナ事業につきましては、海外大手メーカーへのセルラーメイン内蔵アンテナの積極的な拡販に努めた結果、売上高は前期比で微増となりました。
 当分野に含めておりますMD(Medical Device:医療用部品)事業につきましては、当社の微細精密加工技術を駆使したマーカリング、ガイドワイヤ用コイル等の主力製品を、国内大手カテーテルメーカーを中心に拡販を進めた結果、売上高は前期比で増加いたしました。
 以上の結果、当分野の連結売上高は55億5千万円(前期比△16.3%)となりました。
 今後は、ファインコネクタ事業については、引き続き携帯電話以外の領域へのビジネス拡大により、本格的な事業構造転換に取り組んでまいります。携帯電話機向けアンテナ事業については、海外大手顧客の営業・技術ニーズに即応する体制の強化により、取引の深耕・拡大を図ってまいります。MD事業については、事業レンジを部品加工から、モジュール化、高機能モジュール開発へ拡大すべく、技術開発・製造体制を強化するとともに、国内では主力製品・戦略製品の積極的拡販、海外市場での販路開拓などにより、将来の主力事業とするための基盤構築に努めてまいります。

売上高 単位:百万円
経常利益 単位:百万円
当期純利益 単位:百万円
1株当たり当期純利益 単位:円
  2007年
3月
2008年
3月
2009年
3月
2010年
3月
売上高 (百万円) 通期 32,885 33,565 27,555 26,025
経常利益 (百万円) 通期 2,444 1,002 Δ1,125 1,051
当期純利益 (百万円) 通期 1,389 389 Δ3,604 820
1株当たり当期純利益 (円) 通期 68.30 19.33 Δ180.15 41.01