STORY03 イノベーションを繰り返してきた、ヨコオの歴史。

自動車市場/半導体検査市場/携帯端末市場/先端医療機器市場をはじめ、社会インフラ用システム市場に至るまで。ヨコオは、さまざまな領域で革新的な技術や製品を生み出してきた。その源泉にあるのは、創業以来大切にしてきた「常に時代の先駆者でありたい」という想い。創業者の時代から続くヨコオのイノベーションの歴史は、今にもしっかりと受け継がれている。

SPECIAL COLUMN

技術を活かして新たな領域に挑む。

自動車市場、半導体検査市場、携帯端末市場の分野で高いシェアを獲得する中、新たな事業領域として医療に注目し、MD(Medical Devices)事業を立ち上げたのは2006年。既存の分野で培った知識や技術を新たな領域へと活かして事業化し、現在に至るまでの軌跡を探っていく。

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  • コンマ1ミリ以下の精巧さ。
    独自技術で医療に貢献。

    新たな事業をはじめるにあたり考えたのが「長い歴史の中で独自に培ってきたヨコオにとって原点ともいえる『微細精密加工技術』をどう活かすか」だ。競争優位性、技術との相性、新規性……あらゆる視点で探った結果、狙いをつけたのが医療機器分野だった。
    人の循環器は非常に繊細で微細なものであり、医療機器の製造には精密で高度な技術が求められる。そこに「微細精密加工技術」を応用すれば、そのニーズに十分応えられると確信したのだ。
    事業化に向けて最初に着手したのがカテーテルという高度管理医療機器の部品製造だ。コンマ1ミリ以下の精巧さが求められるカテーテルだが、ヨコオはそれまで市場に出回っていた部品よりも高い品質で仕上げることに成功する。製品の品質はもちろん、操作性の良さや生産量・量産速度など、ヨコオ製の部品はさまざまな面で医療機器メーカーから評価され、医療業界への参入を果たした。

  • 技術の深化によって
    事業を進化させる。

    医療分野への進出を果たしたヨコオだが、挑戦はそこで終わりではない。
    患者の負担軽減を目指す低侵襲治療への需要が高まる中、使用される医療機器の性能もますます向上している。同じ部品を製造し続けているだけでは事業の成長にいずれ限界が見えてくる。常にお客様に求められる存在であり続けるためにはどうすべきか―そう考えた末に行き着いたのが、お客様のニーズに合わせて部品同士を接合してひとつの製品へと仕上げる「アッセンブリ製品」の製造だった。
    新たな領域に挑戦し、事業として軌道に乗せるまでの道のりも決して平坦なものではなかったが、そこからさらに「技術の深化」を図ることでMD事業はさらに進化していく。

  • 高い評価を頂いた
    独自の技術。

    ヨコオ初のアッセンブリ製品として量産に成功したのがガイドワイヤだ。「今やガイドワイヤはMD事業を支えるOEM製品のひとつだが、ここまで高い評価を得ることができたのは『異種材料接合技術』にある。」と語るのは、前事業部長であり現在は営業本部の顧問を務めるTだ。
    「異種材料接合技術」とは、異なる種類の材料を接合する技術のことだ。同じ種類の材料を接合するよりも難易度が高く、より精密な技術が求められる。また、ガイドワイヤの外径はわずか0.3mm程度。それほど微細なものを正確に接合できる企業は世界でもごくわずかであり、日本国内ではヨコオが唯一といっても過言ではない。
    ヨコオ製のガイドワイヤは競合品の中でも高く評価された。それを機に医療機関などとの連携をスタートし、事業領域をさらに拡大していった。

「ヨコオ品質」を世界へ。

現在の事業部長であるIは、「日本製の医療機器は非常に品質が高く、ヨコオの技術はその評価の一端を担っている。ヨコオが製造に関わっている医療機器の世界シェアはまだ僅かなものかもしれないが、我々が持つ技術は間違いなく世界で戦えるレベルだ。我々の進むべき道はその技術を武器にシェアを着実に伸ばし、世界中に『ヨコオ品質』を広め医療機器の進化を望む多くの人々に貢献することだ。」とMD事業の未来について力強く語る。
さらにTも続ける。「世界で最も医療技術が進んでいる国はアメリカで、その市場規模は日本の約10倍だ。また、現在日本国内に流通している医療機器の半分以上は海外製とも言われており、中国やヨーロッパなどさまざまな医療大国が立ち並ぶ。その中で我々が目指すべきは『ヨコオ品質』の医療機器をひとつでも多く世界に発信することだ。」
既存の分野を追求するだけでなく常に新しい分野へと目を向け、挑戦することで誕生したMD事業。これからも、社会に貢献する新たな製品を生み出し続け『ヨコオ品質』を広めていく。